アスキーアート(ASCII Art)は、アスキーコード(ASCII Code)の図形文字領域0x20~0x7eに含まれる文字・記号によって描かれたアート。テキストアート、文字絵とも呼ばれる。AAと略される事もある。
厳密な意味では、アスキーアートとは、アスキーコードの0x20~0x7eもしくは、他の文字コードからそれにマッピングされる文字のみを使ったもののみを言い、それ以外の文字(たとえば日本語や中国語の文字コードの2バイト文字)を含むものは単にテキストアートと言うが、日本ではあまり区別されない。
概要[]
アスキーアートは、主に顔文字などが主流だが、数行にわたって書くことで風景描写・写実画やイラストなどの代わりに使うこともできる。従来は印刷表示式のテレタイプで行われていた。
広い意味では、アスキーコード以外の文字コード(ISO-8859-1やShift_JIS)に含まれる文字や記号、活字を並べることで全体が別の表現に見えるものを総称してこう呼ぶ。
日本国内で見られるものは、一部の顔文字を除いていわゆる全角文字や半角カナのような非アスキー文字を使っているため、厳密にはアスキーアートとは呼べない。そのため、「テキストアート」と呼ばれることがある。また、「JISアート」「モナーアート」なる名称も考案されたが、こちらは広く普及するには至っていない。
伝統的には等幅フォントを使用するが、日本国内のwebサイト(特に匿名掲示板2ちゃんねるなどのアンダーグラウンド)においてはプロポーショナルフォントを使用する場合も多い(MS Pゴシックが最も多用される)。それらを知りたい場合は外部リンクの「AA大辞典」を参照。
古くは、キャラクタディスプレイ上に図や表を表すためによく利用された。現在でもUnixでのシェルなど、CUI環境で利用されている。
例 (^^)
欧米で使われているアスキーアート[]
古くから愛好者が多く、専用のニュースグループもある。またcatコマンドを使ったアニメーションも存在する。
ここで使用しているアスキーアートは半角\が半角¥に置き換わって表示される場合あり。
1行のアスキーアート[]
最もシンプルなアスキーアートは、2~3文字を組み合わせた感情を表現するためのもの。スマイリーとも言う。 これらの顔文字は時計周りに90度回転させ(または首を左側に90度傾け)ると認識しやすい。 主に英語圏で使用されている。
:-) または :) スマイル :-( しかめ面 ;-) ウィンク :-p 揶揄
複数行のアスキーアート[]
より大きく、より複雑な図形を書くためには、複数行を使用。
日本で使われているアスキーアート(テキストアート)[]
顔文字(フェイスマーク)[]
感情を表すために4~8文字程度を組み合わせたもので、おおむね1行に収まる。 メールの本文・チャット・電子掲示板・メーリングリストなど、さまざまな場所で使用される。欧米では、1バイト文字のみで構成されているものが日本のサブカルチャーに興味を持つ人々の間で使用されている。orzは中国・台湾にも輸出され、独自のアスキーアートが作り出されている(例: 老人の顔)。
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固定ピッチフォントのアスキーアート(テキストアート)[]
3~25行程度を使用する、より大きなアスキーアート(テキストアート)。
擬古猫(現在ギコ猫として広く知られているものの原型)
∧ ∧ ~′ ̄ ̄(´ー`)<初期型 UU ̄ ̄ U U ↓ ∧ ∧ ~′ ̄(´ー`)<現在 UU ̄ U U ↓ ____ ∧ ∧ |\ /(´~`)<変化球 | | ̄ ̄ ̄ ̄ ̄| | |=みかん=| \|__________| ↓ ∧ ∧ /(´Д`)ノ<汎用  ̄ ̄ ̄ ̄|
プロポーショナルフォントのアスキーアート(テキストアート)[]
主に2ちゃんねるおよびその影響を受けた電子掲示板で使用される。数行~十数行であることが多いが、巨大なものでは50行に達する場合もある。 MS Pゴシック12ポイントを標準として作られているため、Windows 以外では正しく表示しにくいのが欠点。 これを解決するためフリーなモナーフォントが開発された。このモナーフォントは、Linux を始めとする他のオペレーティングシステムでも利用可能であることから、この問題点は既に克服されている。モナーフォントには、IPA モナ、M+IPAモナなど数種の派生フォントが存在する。
また、2ちゃんねるや2ちゃんねるの影響を受けた個人サイトなどではAA長編と呼ばれるプロポーショナルフォントのアスキーアートを利用した物語の作品が非常に盛んに発表されている。(例 世界「制」服をたくらむモララー、山奥のしぃ先生、東京!一人暮らしだモナ、しぃのアトリエ ~モナーブルグの錬金術師~など) 日本の漫画文化を反映したものであり、台詞や効果線も巧みに使用している。表現方法が日々研究されていて現在も進化を続けている。
rヘ Quwoooooo… │ i .l^l | ヽ l ゝ .゛| ヽ _, -‐、、 ゛l i ! ヽ__ , -''"´ _ヾ. _、 ゛! ゛l、___ ,,,==,,,| ゛、-''"´ _/ l . l- 、`´´--=〆 ` _/ _l` ゛l/ ̄` ヽ -=-_、 .---''"'"~´ 、 〃 \〃 `、 ''" ̄ ̄~ ___,,,,、-ー= .┴―、,,,/_ /  ̄,´^ヽ、  ̄ ̄ ̄ ̄  ̄ ヽ-=_// `゛ヽ、. { ヽ rヘ  ̄ `‐、、 _ i │ i ` `ヽ .l^l | ヽ l ゝ .゛| ヽ _, -‐、、 ゛l i ! ヽ__ , -''"´ _ヾ. _、 ゛! ゛l、___ ,,,==,,,| ゛、-''"´ _/ l . l- 、`´´--=〆 ` _/ _l` ゛l/ ̄` ヽ -=-_、 .---''"'"~´ 、 〃 \〃 `、 ''" ̄ ̄~ ___,,,,、-ー= .┴―、,,,/_ /  ̄,´^ヽ、  ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ヽ-=_// `゛ヽ、. { ヽ  ̄ `‐、、 _ i ` `ヽ ウィキペたん ru‐┐__ ru‐┐ .} Ω_{' ⌒´ヾー、.{ ´rー゛f(ノノ))))!i.「 ノ乂k(l゜ ヮ゜ノ'ノ乂 ´ ' と}i凹{つ ' fく/{__}〉 ´ し'ノ
※ウィキペたんについてはWikipedia:ウィキペたんを参照。
プロポーショナルフォントのアスキーアートの特徴[]
日本では他国に比べアスキーアートが非常に発展しているが、その要因の一つとして、ひらがな、カタカナ、漢字、英字、数字、記号といった多彩な文字種類、W半角スペースの影響を受けない全角スペースの存在、MS Pゴシック12ポイントにおける文字幅が挙げられる。
日本におけるアスキーアートは、環境に非常に依存するという弱点がある。Windows VistaからはMS Pゴシックとは文字幅も字体も違う、メイリオフォントが導入された。また、MS Pゴシックなどのフォントも一部の字体が変更されており、一部のアスキーアートを正常に表示することが出来ない事が判明している。その他にも、フォント設定が正常に反映されない等の不具合も多く、これらの要因によるアスキーアートの衰退が心配されている。
プロポーショナルフォントの作成上の制約[]
MS Pゴシックのアスキーアートには作成上の制約が二つある。
- 行頭での半角スペースの使用禁止(行頭半角スペース)
- 連続した二つ以上の半角スペースの使用禁止(W半角スペース)
どちらもInternet ExplorerやGeckoを使用したWebブラウザでは、省略されてしまい表示されない。
最近ではこの制約を逆手に取ったアスキーアートが作られている。ある種の騙し絵であり、アスキーアートの中にわざとW半角スペースを仕込み、Webブラウザ上とそれ以外での表示を別物にするものである。
HTMLタグでフォントのサイズや色を変えたりすることはない。 文字を大きくしたい場合は、アスキーアートで大きな文字を作ったり、(下図参照)色を付けたい場合には画素とする文字の濃淡を利用し、マンガにおけるスクリントーンのような効果(下図参照)で濃淡を表すようにする。
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プロポーショナルフォントのアスキーアートの種類[]
プロポーショナルフォントのアスキーアートは作風によって大きく3種類に分けられる。制作の場として用いられる2ちゃんねるの板名をつけて呼ぶことが多い。
顔文字板系アスキーアート[]
イラスト、写真などをトレースしたアスキーアートで、20行以上に渡る巨大なものが多い。大抵は漫画やアニメ、ゲームの一枚絵を元に作られている。簡単なものでも制作にはある程度の技術が必要。
このタイプのアスキーアートはオートトレースツールを用いて機械的に制作することも出来るが、精度は低く雑然とした文字の固まりにしかならない。オートトレース後に修正するなど、手書きの工程省略には使われる。
モナー板系アスキーアート[]
漫画のように大きくデフォルメされたアスキーアートが分類される。顔部分が1行分の顔文字、全身が(通常の等身では)5行程度に収まる。2ちゃんねるのアスキーアートキャラクターと言えばこのタイプである。
単純なものであれば顔文字系アスキーアートより遙かに制作が簡単である。すでに作られたアスキーアートがあればそれを改変することで、コピペ改変として新たに作り替えることも出来る。
2ちゃんねるの1レスを漫画の1コマとして作り上げるストーリーAAは、ほぼ全てがモナー板系列で作られ、長いものでは3000コマを越す。
ガイドライン板系アスキーアート[]
クマーややる夫に代表されるアスキーアート。大きくデフォルメされているのはモナー板系と同じだが、目鼻口の顔部分だけで5行、全身が10行を越す。
顔だけで5行を利用しているので、顔文字板系同等な多彩な表情を表現できるが、デフォルメされているためモナー板系並に制作の敷居が低い。顔文字板系、モナー板系の中間と言うべきタイプであり、どちらともに親和性が高い。
2002年頃までは顔文字板で最も作られていた。
メールの署名としての利用[]
数行の簡単なアスキーアートをメールの署名に使う人もまれに見られる。
"""""""""""""""""""""""""""""""""""""""""""" ∧_,,∧ 山田 ショボンヌ (´・ω・`) _。_トポトポ hoge@example.com / J つc(__アi! 東京都港区2ちゃん町0-0-0 しー-J 旦~ Tel 012-345-6789 """"""""""""""""""""""""""""""""""""""""""""
表現の方法[]
大きく二つの型がある。
- 文字の形を線と見なし、それを連結させてゆくもの。いわゆる顔文字や小さなアスキーアートに用いられる。
- 文字を一つのドットと見なし、文字の違いは濃淡の差として扱うもの。全体の形は大きくなりやすい。
アスキーアートが発祥であるキャラクターの例[]
ここでは代表的なもののみ記述する。
その他のキャラクターについてはCategory:2ちゃんねるAAキャラクターを参照。
関連項目[]
- 顔文字
- のまネコ問題
- 英語版Wikipedia Shift-JIS art
- 英語版Wikipedia Emoticon
- 文字絵
- 和字間隔
ca:Art_ASCII cs:ASCII_art
en:ASCII_art eo:Arto_ASCII es:Arte_ASCII
fr:Art_ASCII
he:אמנות_ASCII
ia:Arte_in_ASCII id:Seni_ASCII it:ASCII_art ko:아스키_아트 lt:ASCII_menas
pt:ASCII_art
ru:ASCII_art
simple:ASCII_art
sk:ASCII_umenie
sr:Aski_umetnost
vi:Nghệ_thuật_ASCII
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